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あんさんぶるスターズ!!Music - ONLY YOUR STARS! Edition -の譜面を作った話

Published at December 24, 2019 11:39 a.m.

この記事はHappy Elementsカカリアスタジオ Advent Calendar 2019の25日目の記事です。

本日の記事は「あんスタ!!Music」の譜面制作班からお送りします!

はじめに

本記事ではタイトル通り、
『あんさんぶるスターズ!!Music - ONLY YOUR STARS! Edition -』 に収録されている『ONLY YOUR STARS!』の譜面を作った話をしようと思います。

『あんさんぶるスターズ!!Music - ONLY YOUR STARS! Edition -』とは?

『あんさんぶるスターズ!』 は新章展開に合わせて、アプリが2つになります!

(詳細は公式サイトのシステムページ をご覧ください)

『あんさんぶるスターズ!!Music - ONLY YOUR STARS! Edition -』は、新作リズムゲーム『あんさんぶるスターズ!!Music』の体験版として11月8日にリリースされました。

「リズムゲーム」とは?

譜面制作について解説する前に、そもそも「譜面とは?」「リズムゲームとは?」と言う根本的な所を軽く説明させて頂きます。

リズムゲームとは、端的に言うと

音楽に合わせてタップやフリックなどの操作をして楽しむゲーム

と言えます。

操作方法はゲームによって様々、ゲームの楽しみ方も人それぞれ…スコアを競ったりなど幅広い楽しみ方がありますが、「音楽に合わせて(リズムに乗って)」「操作をして」「楽しむ」という前提は基本的には共通していると思います。

「譜面」とは?

リズムゲームにも様々な種類がありますが、「あんスタ!!Music」は画面上部から流れてきた「ノーツ」が画面下部の半円状の「判定ライン」に重なったタイミングで押すという、比較的オーソドックスなタイプのリズムゲームです。

ここで、曲に合わせて降ってくるノーツのパターンが譜面です。

音符や音楽記号の配置によって曲を表したものを楽譜(譜面)と呼びますが、リズムゲームではそれになぞらえてノーツの配置を譜面と呼びます。

譜面の通りにプレイヤーが操作を行うことになるため、リズムゲームにおいては譜面のクオリティがとても重要だと言えます。

いかにプレイヤーにリズムに乗って楽しんで貰えるか、曲の良さを感じ取って貰えるか、ゲームとしてのやりごたえを感じて貰えるか…全てがこの「譜面」の出来に掛かっているといっても過言では有りません。リズムゲームとしてのまさに要の部分となります。

難易度設定について

「あんスタ!!Music」では、1つの曲に4つの難易度の譜面が用意されています。
大まかな方針としては以下のような難易度設定になっています。

  • Easy
    • 一番簡単な難易度。リズムにのってみよう!
  • Normal
    • 慣れてきたらこの難易度。リズムを楽しんでみよう!
  • Hard
    • これができたら一人前かも。メロディーを奏でてみよう!
  • Expert
    • Hardでも物足りない人はこちら。難しい譜面に挑戦してみよう!

まずリズムゲームに慣れていない方にはEasyからNormalにかけてリズムゲームに慣れてもらって、慣れたらHardに挑戦してメロディーを奏でる楽しさを味わって欲しい!という形になっています。

一方、リズムゲームに慣れている方向けにはよりやりごたえのある難易度を…という事で、Expertを用意しています。

EasyやNormalは、基本的にはリズム中心の配置になっています。
例えば、音楽を聴いてるときに頭を動かしたり指をトントンしたりするような感覚でプレイすると楽しく叩けるのではないかなと思います。
NormalはEasyから叩く量が増えたり少し複雑なリズムを取っていたりします。

一方、HardやExpertにもリズムを取るところはありますが、ボーカルやギターなどのメロディーに合わせた配置が増えてきます。
Expertではそんなメロディーやリズムが同時に降ってきたり、取るリズムは同じでも同時押しになっていたりフリックになっていたりと、リズムゲームとしてやりごたえのある譜面に調整しています。


NormalとHardでは、もちろん全体のノーツの量の差もありますが、ノーツが合わせている音も変わっているので、Normalの延長線と思って挑むと急に難しくなったと感じる人も少なくないかもしれません。

(あんスタMusicに限らず)このリズム合わせ→メロディー合わせへの移行が、リズムゲームでステップアップする際の一つの「壁」になるのではないかと思います。

体験版でなかなかHardがクリアできない…!という方もいらっしゃるかと思いますが、きっと壁を乗り越えた時には達成感が得られると思います!
正式リリース版ではよりたくさんの曲と譜面を用意しているので、是非いろんな曲と譜面に触れて練習してみてもらえると嬉しいです。

ONLY YOUR STARS!の譜面制作

譜面制作

ここまで長くなりましたが、ようやく譜面を作っていきます!

まずは曲を聴いてみる

どんなリズムを刻ませるのかを決めるために、まずは曲を聴きます。

さて、皆さんは曲を聴いて正確なリズムを取ることができたでしょうか?
…既に聴き慣れていてリズムが頭に染み付いているという方も居られるかもしれませんが、実はこの曲にはリズムが取りにくいある特徴があります。

「ONLY YOUR STARS!」の特徴について

この曲には「シンコペーション」と呼ばれる技法が多用されています。

シンコペーションとは、簡単に言うと本来アクセントの強い拍(表拍)と弱い拍(裏拍)が入れ替わることです。これにより単調なリズムが独特なリズムになり、印象に残りやすくなっています。

このため、「ONLY YOUR STARS!」ではEasy譜面においてもノーツ全体の約7割が裏拍部分に配置されています。

この割合は他の曲に比べても明らかに大きい割合となっています。
他の曲は表拍100%だったり、裏拍があってもアクセントの強い表拍から連続して叩くので、リズムが崩されにくい曲がほとんどです。

アクセントが表拍や裏拍にあちこち混在していると、リズムを感覚でうまく掴んだり「次はここで叩くだろう」と予想することが難しくなります。

曲の構成を分ける

次は曲の構成を分けてみます。
曲の構成に合わせて譜面を作ることで、各パートが持つ役割などを意識しやすくなりますし、全体の難易度バランスも調整しやすいためです。

  • (イントロ)
  • 頭サビ
  • 前奏
  • Aメロ1
  • Aメロ2
  • Bメロ
  • サビ1
  • 間奏
  • サビ2
  • アウトロ

今回はこんな感じに分けました。
これをベースに各パートごとに意識したところを説明していきます。

頭サビ

いきなりシンコペーション
なんですが、伴奏部分が全音符の間隔で降ってきてるのでEasy〜Hardではその音を取っています。イントロからの流れもありいきなりリズムが崩されるということはないと思います。
「星のように」からは伴奏もちょっと細かく入ってくるのでそこを反映しています。

前奏

ギターがかっこいいところですね!
Easyでは大体2小節ごと(最後は1小節)にギターのフレーズを区切っています。
NormalはEasyとの差別化のためにドラムの音を取っておりますが、最後の3つだけはギターの音を取ってるので、急にリズムが変わってしまう印象もあったかもしれないです。

わかりやすい音を全部入れると難しくなり、簡単にしようと間引くとわかりにくくなるというジレンマをうまく昇華する絶妙なバランス感覚が譜面制作において必要なスキルになってくると思います。

Aメロ1

EasyとNormalではまた違う拍を取ってます。
Easyでは3拍目のみ、
Normalでは前半は1拍目のみ、後半では1拍目と3拍目を取ることでステップアップしています。

4人がアップになる決めカットは是非譜面を気にせずに見てほしいという事で、何も降ってこないようにしています。

Aメロ2

4人アップが終わってAメロ繰り返しですが、
Aメロ1に比べると後ろで鳴ってるギターのリズムが変わったりドラムの音が目立ったりしています。
ですので譜面の方でも意図的にAメロ1とは少しリズムを変えています。
EasyではAメロ1では等間隔だったリズムがなんと裏→表→裏→表→裏→裏→裏→表へと変わります。
これだけ見ると難しいように見えますね……!
NormalではAメロ1では1,3拍目だったのが2,4拍目合わせに変わりました。
Expertでは歌のメロディーとギターとドラムが入り混じっています。

Bメロ

BメロはAメロとは展開が変わり、サビで盛り上がるための力を溜めるパートだと思います。
(いわゆる"PPPH"が入るのもこのパートが多いですよね。)
Aメロとは変わりしっとりした感じになるので、ロングノーツを多めにしてサビへの緊張感を高めてもらいます。
Easyではここでロングノーツ初登場だったり、Expertでは片方押しながらもう片方を叩く配置だったり、サビに向けての盛り上がりを感じてもらえたらと期待しています。

サビ1

頭サビでは特性上「聴かせる」ために伴奏がシンプルなことが多いのですが、ここからのサビは盛りあがりパートです。
盛り上がりは頭サビよりもノーツの量を多くすることで表現しています!
思いっきり叩いてください!!

間奏(あんさんぶるタイム)

ギターがかっこいいところその2です!
間奏は譜面制作の自由度が高いので、作るのも楽しいです。
Expertの左から右へと大きく流れるスライドはインパクトがあったのではないでしょうか?
Expertではそれ以外でも今までは左右の指で交互で叩くいわゆる乱打中心だったのに対して、左→左→右→右で叩くような譜面にしてパターンを変えています。

あんさんぶるタイムでは上手くノーツを叩くことによってアイドルの「スペシャルパフォーマンス」が見られるのですが、他の部分と比べて少し難しめになっています…!
是非頑張ってアイドルのかっこいい姿を見て下さい!

サビ2

前半はかっこいいパフォーマンスを見てもらって、譜面は後半から始まります。
サビ1とほとんど同じですが譜面も全く同じかというとそんなことはなく、
叩くリズムが同じでも配置だけ変えたりして単調にならないようにしています。

サビ1と展開が変わる「このステージで」以降はスライドするロングノーツを入れて動きを与えています。

アウトロ

3小節くらいの短さですが、何事も終わりが肝心!ということで慎重に考えます。
この曲だとラストはギターがジャーン!となって綺麗に終わるので、ここだけは絶対に気持ちよく押してほしいと思いました。
「気持ちいい譜面」を考えたとき、左右対称を意識した配置が視覚的にわかりやすく、左右で同じ動きをする気持ちよさもあると考えました。
もちろんアウトロだけに留まらず「ここぞ!」という場所で多く取り入れています。


そんなこんなで譜面ができました!
皆さんの期待に応えられる譜面にはなっていたでしょうか?
正式リリースに向けて他の曲の練習にもなると思うので、是非フルコンボやオールパーフェクトを狙ってみてくださいね!

余談:「Star's Ensemble!」について

体験版のバージョンアップで追加された2曲目となる「Star's Ensemble!」では、1曲目からステップアップしたものをという事で少し難し目にしています。
しかし、アニメの主題歌という立ち位置の曲でもあるので、多くの人が楽しめるように難しくしすぎないようにもしています。

「ONLY YOUR STARS!」が簡単だったこともあって、こちらには苦戦した方も多かったのではないでしょうか?
もちろん簡単だった!という方も居られるかもしれませんが、正式リリース版ではもっとたくさんの曲と譜面を用意しているので、是非お楽しみにお待ち下さい!

おわりに

以上が「あんさんぶるスターズ!!Music - ONLY YOUR STARS! Edition -の譜面を作った話」でした。
拙文ではございますが楽しんでもらえたなら幸いです。

ただいま『あんさんぶるスターズ!!』では事前登録キャンペーンを行っています!
体験版を楽しんで頂いた方は、これを機会に是非事前登録していただけると嬉しいです。

また、本日でHappy Elementsカカリアスタジオ Advent Calendar 2019は最後となりますが、色々な分野の記事が投稿されていますので、興味のある方は是非他の記事もご覧ください!

※ 本記事の画像には一部いらすとやさんの画像を使用させて頂きました。
※ 本記事で使用した画面は開発中のものにつき、実際の仕様とは異なる場合があります。