ハピエレ(カカリアスタジオ)の目指す理想とゲーム開発現場の3つの特徴
Happy Elementsカカリアスタジオ Advent Calendar 2019の2日目の記事です。
本記事では、エンジニアとして入社した私からカカリアスタジオの開発現場に興味を持ってくださる方に向けて、カカリアスタジオの目指す理想と開発現場の3つの特徴をお伝えできればと思います。
多角的な記事でなく私個人の目線ではありますし綺麗ごとばかりでなく様々な課題もありますが、カカリアスタジオに興味を持ってくださる方にとってのひとつの情報となれば幸いです。
※ カカリアスタジオは京都にあるHappy Elementsのスタジオで、あんさんぶるスターズ、メルクストーリア、ラストピリオドなどを開発、運営しています。
カカリアスタジオの目指している理想
カカリアスタジオでは 「当事者意識あるクリエイターたちが大きな裁量と責任を持って、ものづくりに専念できる環境」 を理想として目指しています。
組織でものづくりをするクリエイターであれば「多くの階層や利害関係者によって理不尽な決定やルールが生まれ、徐々に現場の想いやユーザーメリットと違った方向にサービスが向かってしまった経験」をお持ちの方も多いかと思います。
カカリアスタジオの社長(※)も元はエンジニア であり、「トップダウンのよくわからない理由で現場の考える理想を実行できなかった」という経験からこのような理想を掲げています。
※ 広報のカカリアンズと代表のアライグマ社長
この理想があらゆる制度設計の根底に根付いており、カカリアスタジオの開発現場の特徴として表れていると感じています。
続けてそんなカカリアスタジオの開発現場の特徴についてふれていきます。
ゲーム開発現場の3つの特徴
1. アプリごとにグループを組織
カカリアスタジオでは、あんさんぶるスターズ、メルクストーリア、ラストピリオドなどタイトルごとにグループを分けて、それぞれのアプリグループにエンジニア・ゲームデザイナー・イラストレーター・ライター・アニメーターなどのクリエイターが所属する形となっています。
これにより、アプリグループごとに多くの裁量をもって意思決定できるような体制をとっています。
※ 執務室も、完全にアプリグループごとに分かれています。
同じ職種内での連携について
SlackやBoxなどで他グループの情報を参照できる透明性は確保しつつも、アプリグループごとの最適な判断を極力邪魔しないように、他グループの情報をどう料理するかはそれぞれのアプリグループに所属するクリエイターに委ねられるような形となっています。
ただ昨今の傾向として、クオリティレベルの向上を目的にした職種軸での交流や協力が増えてきており、徐々にマトリクス型組織らしく変わってきていると感じています。
2. グループリーダーと現場裁量
一般的なゲーム会社にはプロデューサーとディレクターという役職がありますが、カカリアスタジオではそのような役職はありません。
※ 明示的にそれらの役職がないとはいえアプリを運営する上でそれらの役割は必要であり、正確にはアプリグループ内の誰かしらが似たような役割を補完的に果たしています。
かわりにアプリごとの意思決定を行うポジションとしてグループリーダーという役職があり、エンジニアやゲームデザイナーがプレイングマネージャー的に兼務で担うことが多いです。
※ 現状はエンジニアやゲームデザイナーがグループリーダーを担うことが多いのですが、職種に制限があるわけではないのでイラストレーターやアニメーターやライターといった職種からグループリーダーが生じてもおかしくない状況です。
プレイングマネージャーである理由は複数ありますが「クリエイター感覚を持った人間が意思決定することで、現場の考えをサービスに色濃く反映する」という意図が大きいかと私は思います。
ただ最近は様々な理由からマネジメントを専門で行う人材の重要性も強く感じています。
カカリアスタジオではサービス開発と運営に関わるほぼすべての裁量がこのアプリグループに与えられており、現場感覚とずれた判断や目標が社長からトップダウンで命じられることはほとんどないため、アライグマ社長は(グループからの目線で敢えてざっくり言うと)よき相談役といった印象に近いです。
3. 少数精鋭のチーム作り
アプリグループに所属するクリエイターをできるだけ少数にすることで 「クリエイターが主体性や当事者意識を持ちやすい環境」 を目指しています。
また、主体性や当事者意識の醸成だけでなく、少人数にすることで管理や合意形成に伴う様々なコストや無駄なルールを最低限にする狙いもあります。
トップダウンで決まった仕様に従って粛々と作るような形を理想と考えず、同じアプリグループに所属する様々な専門性を持った現場のクリエイター陣でものづくりを進めることでユーザーの反応を見ながら現場で考えながらものづくりをするような環境を理想と考えています。
※ この点についてもアプリグループの状況に応じてどういった規模や体制が最適かを選択できるようになっており、それぞれ違いがあります。
メルクストーリアグループの例
メルクストーリアグループでは、以下のような流れで開発を行っています。
- まずグループリーダーがユーザー様からのご意見、市況(KPIなど)、シナリオ展開計画、コラボ、各種イベントの情報を総合して中長期計画を立案し、それを各サブチームと相談してFIXさせます。
- 「○月月初 国別イベント」といった具体的な有期のタスクに対して、ライター・イラストレーター・アニメーター・エンジニア・ゲームデザイナー・グラフィックデザイナーなど様々な専門性を持った十数名ほどのクリエイターがアサインされます。
- アサインされた様々なクリエイターの専門性をプラスオンしながら完成に向けて制作するような体制をとることで、各々のクリエイターが施策に対して意見を出せる環境を目指しています。(アジャイル開発のスクラムを参考にしています。)
一貫した戦略に基づき決める中長期計画と、各自の技芸を最大化させる部分を意識的に分断させることで、作品としてのまとまりと品質を担保することを狙っています。
また他にも工程ごとに分業体制を敷いているアプリグループなどもあり、アプリグループにとって最適な形をそれぞれ追求しています。
まとめ
カカリアスタジオでは「当事者意識を持ったクリエイターがものづくりに専念できる環境」という理想を掲げ、(サービスの状況によって多少の違いはあるものの)「アプリグループ制・現場裁量・少数精鋭」といった特徴をもった現場でゲームづくりをしています。
※ あくまでも私個人の目線ではありますが、今回はこのようにまとめさせていただきます。
また、 こうした開発現場を、様々な専門性を持ったバックオフィスの方々が支えてくださっているのがカカリアスタジオ です。(きれいにまとめた感がすごいのですがいろいろと本当に助かっています。)
もちろん良い話ばかりでなく課題もたくさんあるのですが 「ものづくりが大好きだ!」という方には良い環境だと私は感じています。
カカリアスタジオではこの理想を共に実現する前向きな気持ちを持ったクリエイターやバックオフィスのスタッフを募集しており、皆様からのご応募を心よりお待ちしています!
学生アルバイトの採用も行っていますので、ものづくりが大好きな関西の学生さんもふるってご応募ください!
アライグマ社長あらため代表の新井からのメッセージ
少数精鋭でクリエイター一人一人に大きな裁量と責任があり、できる限り妥協することなくものづくりができる。
経営やマネージャーによる的外れな判断や理不尽なルールが無く、クリエイターが当事者意識を強く持って本当に良いと思えるものづくりができる。
社内の説明や根回し、過剰な仕様書のために余計な時間を使わず、ものづくりに専念することができる。
売上目標の達成のために無理な設計や運営をせず、沢山のユーザに楽しんで頂くことを第一に考えることができる。
良いコンテンツを生み出すことができ、かつそれを沢山のユーザに届けることができ、クリエイターとして報われる。
そんな会社にしたいと考えています。
※ カカリアスタジオ採用サイトより引用
余談
カカリアスタジオの所在は 京都 でして、この立地が転職時のネックになることが多いです。
しかし実は京都はなかなか住み良いところでして、街が小さくて坂が少なく生活にちょうどよかったり、いろんな店や見どころが多くあるので散歩先に事欠かない点が個人的にお気に入りです。
また満員電車が苦手な自分は、 徒歩通勤 できたり電車が混雑しない環境も満足しています。
悪い点として、盆地のためたしかに夏暑くて冬寒いのですが、個人的にはインドアな仕事なので大きな問題ではありませんでした。
カカリアスタジオの従業員も京都出身者は少なく私含めほとんどは京都府以外の出身ですので、引っ越しを伴うご転職もお待ちしています!
※ 細やかですが、 引越支援金制度 も用意しています。(詳しくは カカリアスタジオ採用サイトを参照ください)(2019年12月現在)
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
カカリアスタジオのAdvent Calendar 2019は今後も続きますので、引き続きご覧いただけると幸いです。
※ いらすとやさんのイラストを使わせていただきました。